小島の八房の梅・数珠掛け桜
梅護寺
阿賀野市小島 (旧新潟県北蒲原郡京ヶ瀬村小島)
珠掛け桜 親鸞聖人が、暫く逗留されていた小島の草庵を出立されるとき、その手に掛けられた百八の数珠を道の辺の桜の木にかけ、
「わが弘むる他力本願のみ法にいつわりなくば、花房、数珠のごとく咲くであろう」 とおっしゃったところ、その通り、
今に至るまで、うすくれないの花が、数珠のふさのように長くたれ下って咲くようになった言われています。
この桜の木も、昭和2年、国の天然記念物に指定されています。
小島の里での布教の途中、親鸞聖人は一軒の家に宿をとり、その家のあるじ夫婦に、
「世路にまぎれて生きる者の、生死を出づべき道は、本願の念仏を聞き、他力廻向の信心のほかにありえない」
と話され、それを聞いた夫婦は涙を流してお念仏のみ教えをよろこびました。夫婦がおぜんに出した塩づけの梅を、
聖人は手にとって、「弥陀の本願を信じまいらせ浄土往生疑いなくば、この漬けたる梅より芽を生じ、
花一輪に八つの実を結んで末代まで繁り栄え、凡夫往生の証拠となるべし」とおっしゃって庭前に埋められるや、
やがて枝葉は四方にひろがり、花八重の紅の梅の花が咲き、一輪に八つの実を結ぶようになったと伝えらている。