東 尋 坊
福井県坂井市三国町安島に位置する崖、越前加賀海岸国定公園に属する
日本随一の奇勝として名高い東尋坊。間近にみる断崖絶壁は迫力満点。東尋坊の魅力は、古くから名勝として称えられてきた
時は源平の寿永、民に巨悪の限りをつくした東尋坊という名の怪力の悪僧。在所の美しい姫君に心を奪われた東尋坊は、恋敵である真柄覚念という僧と
激しくいがみ合ったとされる。ある時、岩場の上で酒宴を催した真柄覚念は、すきを見て東尋坊を断崖絶壁から突き落とした。天候はにわかに崩れ、
雷と暴風雨が四十九日続いたそうな。
毎年命日にあたる四月五日は、東尋坊の怨霊が大波と化し、岩壁を激しく打ち殴り続けたとか。
この岩壁が「東尋坊」と呼ばれることになった由縁に、こんなにもはかなく切ない無骨な男の悲恋物語があった。
崖先端への降り口 右 遠方に雄島望める (雄島は東尋坊の先、周囲約2キロの越前海岸でもっとも大きな島)
荒々しい岩肌の柱状節理が延々と1kmに渡って続く勇壮そのもの
岩は輝石安山岩の柱状節理でこれほどの規模を持つものは世界でも地質上極めて貴重とされ、国の天然記念物及び名勝に指定されている
海側から望む絶景ポイント巡りは魅力いっぱい、約30分間、極上の日本海クルーズをお楽しめるとのこと(当日は波が荒く欠航)
海食によって海岸の岩肌が削られ、高さ約25メートルの岩壁が続く、スリリングな断崖絶壁を見下すのが一番?
マグマが冷えて固まるときにできた五 - 六角形の柱状の割れ目(柱状節理)がよく発達している
岸壁の高さが25メートルに及ぶ大地の断崖は勇壮というより壮絶で、日本海の荒波が打ち寄せる姿は恐ろしいほどの迫力です。
東尋坊は、今から約1,200 - 1,300万年前の新生代第三紀中新世に起こった火山活動で、マグマが堆積岩層中に貫入して冷え固まってできた火山岩が
日本海の波による侵食を受け地上に現れたものとされている
東尋坊の火山岩は白色の斜長石の斑晶や暗緑色の普通輝石・紫蘇輝石の斑晶を含む安山岩で、
この柱状節理の規模の大きさが地質学的に極めて貴重であるとされ、昭和10年(1935年)に国の天然記念物・名勝に指定された。
また、平成19年(2007年)には日本の地質百選に選定された。