伊香保 保科美術館
渋川市伊香保町208−1
現代日本画を中心に多数の作品を収蔵しており、広い館内に5つある展示室をゆっくり鑑賞でき
館内は7つの展示室に分かれており展示室毎に竹久夢二、小林かいち、友永詔三の作品展示、日本画も小泉智英・松本哲男・佐々木曜の屏風が展示されている
ロビーに飾られた販売品(複製)
竹久夢二 明治17年(1884年)9月16日ー昭和9年(1934年)9月1日
画家であり文筆家でありデザイナーでもあった大正浪漫を代表する人物
美人画で有名な竹久夢二ですが児童雑誌や詩文の挿絵を描いたり、文筆では詩、歌謡、童謡などを創作しており詩歌「宵待草」は当時全国的な愛唱歌となり、
2002年にコマーシャルソングで使用されておりましたので耳にされた方もいらっしゃると思います。
また、多くの書籍の装幀、広告宣伝物、日用雑貨のデザインも手がけていました。
独特な美意識による「夢二式美人画」と呼ばれる作品の多くは日本画の技法で描かれ、また洋画技法による女性像や風景画など好んで様々な表現形式を試みました、
竹久夢二は現在ではご存知の通り評価されておりますが、当時は書籍の表紙や公告美術などが多くの目に触れ大衆人気という形で脚光を浴びていました。
小泉は多摩美術大学日本画家時代に教えを受けた横山操、加山又造の生き様に触れ、絵描きになることを志したといわれる
昭和55年の個展で大作2点が山種美術館の買上げとなり、コレクターの間で直接その力量が認められるようになる
墨絵、着彩、草花図、大作風景と幅広い分野で力を発揮するし専門用語ではなく誰にでもわかる言葉で描きたいといっている
開館を記念して描かれた小泉智英作の四曲屏風『秋の抄』
杉木立ちのやわらかな地面に密かに色づくもみじが2本、林間の静寂に華やぎを冴えわたらせている、穏やかに暮れゆく秋の情景が優しさと厳しさを秘めた作家の心情を忍ばせる
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小林かいち 1896年ー1968年
京都友禅図案家で木版絵師、図案家で近年まで性別・生没年・作品点数・私生活などが不明な幻のデザイン画家・謎の叙情版画家と称されていた
当時にはモダンと呼ばれた西洋的な様式やモチーフと日本的な雰囲気との調和は華やかな大正ロマンを感じさせますが、
目鼻立ちが描かれていないにもかかわらず物憂げな心情を感じさせる女性像、装飾性を持ちながらメランコリックな雰囲気を醸し出した作風には表現主義の影響が見てとれる
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佐々木曜
現在日展会員として活躍中の佐々木曜(昭和16年生まれ)が保科美術館のためにと描いた
ロビーに飾られた作品
市野龍起
松本哲男 「蒼穹との出逢い(タージ・マハル)」
院展の将来を担う作家のひとりとして活躍し、東北芸術工科大学学長を務めた、松本哲男(昭和18年生まれ)の代表作
インド、スペインを取材した個展「抒情を描く」(1991年)に発表され話題を呼んだ17世紀ムガール帝国の王シャージャ・ハーンが寵妃に捧げた霊廟タージ・マハル。
「世界の宝石箱」と称せられる白亜の寺院を真正面から捕らえた力強い構図が、見るものを圧倒し、この世のものとも思えぬ聖なる世界に誘い込む。
みずみずしい爽快感に溢れる青空、水面に映る伽藍の静寂。
松本の心の奥底に潜む雄大なる蒼穹への憧れと悠久なるもの、聖なるものとのひたむきな対話が伝わってくるようです。
友永 詔三 木彫展
NHKで放送された連続人形劇「プリンプリン物語」の人形美術を制作担当した友永詔三の常設展示室
木肌の細やかで無地の様に白いアメリカヒバ材等を使った木彫人形を中心に展示しております。
人形美術や、舞台美術・木版画、木彫、ブロンズ等の作品での個展などを数多く手がけ、現在も少女をモチーフとした作品を多数製作し、活躍中
展望休息室よりの展望
広大な三国連山、谷川岳、小野子山、武尊山、子持山、赤城山など上州の山々と隣県栃木県の男体山、日光連山の風景をパノラマで見渡せる
美術館敷地内(玄関先)にある足湯
女性のためにストッキングが脱げる更衣室が併設