境内は「毛越寺境内 附 鎮守社跡」として国の特別史跡、庭園は「毛越寺庭園」として特別名勝に指定されている 2011年「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」の構成資産の一つとして世界遺産に登録された 現在大泉が池を中心とする浄土庭園と平安時代の伽藍遺構がほぼ完全な状態で保存されている
浄土庭園 仏の世界すなわち浄土を地上に表現したと伝わる浄土庭園 大泉が池は浄水をたたえ、その周辺には、州浜、荒磯風の水分け、浪返しにあたる立石、橋のたもとをかざる橋引石、枯山水風の築山、遺水などの石組を配し、 この景観は平安時代に書かれた日本最古の庭園書である作庭記に基づいて作られてた学術的にも貴重な庭園 800有余年を経た現在も、四囲の樹木の景観と相まって、なお変わらぬ美しさを見せている 庭園の中心は、四季の美しさを映す大泉が池です。池は東西約180メートル、南北約90メートルあり、作庭当初の姿を伝えている 池のほぼ中央部に東西約70メートル、南北約30メートル、勾玉状の中島があります。池の周辺や中島にはすべて玉石が敷かれている 昔は南大門前から中島南まで17間の反橋、金堂側から中島北まで10間の斜橋がかかっていたと古記録に記されている 橋の四隅に据えられた橋挟石や南の反橋の橋杭は残存しており、また直径27センチの大面取の橋杭は二本だけ抜き取られて、宝物館に陳列されている これは橋の遺構としては、わが国最古のものとされる
毛越寺の遣水は平安時代の唯一の遺構で、全国的にも極めて珍しいもの この遣水を舞台に毎年新緑の頃に「 曲水(ごくすい)の宴」が開催され、周囲の樹木とあいまって平安の雅な情景が作り出される