重要文化財 前山寺三重塔 (ぜんざんじ)
「未完成の完成の塔」と呼ばれる国の重要文化財にも指定された三重塔
境内は季節のうつろいとともに花々が咲き「花の寺」とも呼ばれている


塔は三間三重で、高さ19.5メートル、屋根は柿葺(こけらぶき)

「未完成の完成の塔」と言われ、二、三重の柱に長押(なげし)仕口がありながら、窓も扉もなく、 また廻廊(かいろう)も勾欄(こうらん)もない。ただ長い胴貫が四方に突出して、うまく変化と調和を持たせている。 相輪は鋳鉄製で、格狭間付露盤(こうざまつきろばん)、伏鉢(ふくばち)、請花(うけばな)、九輪、水煙、竜車、宝珠よりなる。 内部には四天柱がなく、折上小組格天井とし、中央に須弥壇(しゅみだん)を置く。 様式は、和様、唐様の折衷様式で、初重頭貫鼻が象化に移行する初期のものとして、時代の特徴がうかがわれる。

 

   
三重の塔の前庭に大きな「モクゲンジ」の木が
 「モクゲンジは、ムクロジ科の落葉低木で、葉がセンダンに似ていることや、
実を数珠に使うなど仏教とかかわりが深いことから「せんだん葉の菩提樹」という別名もあります。


本尊は大日如来
塩田城の鬼門に位置し、その祈祷寺として、武将の信仰が厚かった。