タプロム Ta Prohm 
仏教

大きな樹木に囲まれスケールが大きく、寺院の廻廊や塀等もあり、輪郭がかなり残っている。 ラテライト(紅い石)で出来た参道も重厚で、立派。 12世紀に王が母親の菩提を祀った霊廟寺院で、当時は僧院に5千人を越す僧侶と615人の踊り子がいたと云う。 タ・プロムでは発見当時の状況を把握する為、敢えて補修工事を行わず保存されている。 その為、樹齢何百年と言う巨大なカジュマルの根っこが動物の様に建物を抱え込み どこか不気味で、神秘的でさえある。 又、人の手を入れない為、苔が生えたり 風化したり、夫々の建築物が独特の表情を見せる。


発見された当時のままに保存されている   (画像クイックで拡大可) 

寺院に足を一歩踏み入れた時、アンコールの遺跡群が密林に覆いかくされて
長い年月を経て発見された証を見ることができる

塔門には観世音菩薩の四面仏が、植物に覆われながらも四方を見渡している



仏教寺院だったが後にヒンドゥー教の寺院に改修された


巨大なカジュマルの木が遺跡の崩壊を促しているのだが木々を撤退すれば遺跡そのものが倒壊してしまう


熱帯の樹木が寺院の上からのしかかるように枝を広げ、根を伸ばし、自然の力のすさまじさをまざまざと見せつけている
(画像クイックで拡大可)

遺跡を包み込むように根を張る巨木と苔むした遺跡にはところどころつっかい棒がしてあったり、
修復のための足場が組まれていて最小限の手が加えられている


壁面に見られる美しいデバダー
仏教寺院だったが後にヒンドゥー教に改宗されたため、多くの仏教レリーフは削り取られている


手のひら一杯の土があれば、とこにでも発芽し根をおろす生命力があると言うガジュマルの樹が
遺跡に絡みついた姿は熱帯樹林の破壊力がいかにすさまじいものかを見せつける

 
植民地当時支配したフランスの調査隊がガジュマルの根を大蛇と見間違えて腰を抜かしたと言う


主だったアンコールの遺跡が修復されていく中で、ここだけは当時のままに保存されてる
今にも崩れ落ちそうな遺跡ではあるが、どこか神秘的な雰囲気を持つ魅力的な遺跡