保田の三度栗
孝順寺
阿賀市保田

親鸞聖人が保田の里にこられたとき、一人のはたを織るおばあさんがお念仏のみ教えにふれてたいそうよろこぴました。 そのよろこびをあらわそうにも、おばあさんはどうしていいかわからず、たまたま持っていた栗の実を焼いて親鸞聖人にさしあげました。 そして、お名号の交付を願いました。ところがその場に一枚の紙もありません。おばあさんは、 たまたまそこにあった大切な織りかけの布をさいてさし出し、聖人はそこに「南無阿弥陀仏」と書いてお与えになりました。 聖人はその後、おばあさんからいただいた焼栗を、帰る途中の「上野が原新山」というところで土に埋め、 「わが勧むる弥陀の本願、末世に繁盛いたすならば、この栗ここに根芽を生じ、一年に三度花咲き実るであろう」とおおせになりました。 その言葉の通り、栗の木は年に三度花と実をつけたと伝えられています。また、1枚の葉の先が2枚に別れて成長したといわれています。 当時の木は枯れてしまいましたが、現在では若木が育ち、今でも1年に3度実をつけています。 (新潟県北蒲原郡安田町保田・大谷派孝順寺)