ドゥオーモは大空間の隅から隅まで金地のモザイクで覆われ、主身廊には旧約聖書から、 側廊には新約聖書からの諸場面が描かれ、全能者キリストがアップで描かれ、まことに壮観である。 これほど華やかなロマネスク建築は シチリア以外では見ることがないが、 しかしこうしたモザイクの技法というのは、東方のビザンチン世界で発展したものである。
この聖堂はロマネスクとビザンチンの合体したものといえ、木造天井の彩色模様や、 随所に見られるアラベスク、大理石による腰壁の羽目板、そして後陣外観の交差アーチを重ねた装飾など、 イスラム建築の影響が濃厚であることがわかる。 この建物のいたる所に用いられているアーチが、すべてイスラムの尖頭アーチ形をしていることである