第二十二番札所 羽広山仲仙寺(羽広観音)(はびろさんちゅうせんじ)
伊那市西箕輪羽広

経ケ岳を貫通して伊那から木曽に通じる権兵衛トンネル添つた西箕輪の羽広部落にある。
幾度となく火災に遭ってはいるが、その都度信者の厚い信仰に支えられて再建されて来たという、
山門から続く参道には古堂や石仏が残り、境内には千年を超していると思われる杉の大木や桜の古木が立つている。

仲仙寺の背後にそびえる経ヶ岳は、慈覚大師によって山頂に法華経を埋経し、開山」した。 こうした出来事は、当寺の日本人にとって重大事であり、それまでの山は信仰対象でこそあったが、 開かれたり、踏破されたりするようなものではなかった。 また大師は経ヶ岳の山頂の霊木から観音像を掘り出したと伝えられているが、これも樹木への敬虔な信仰心を 持っていた日本人にとって、仏教の新しさや呪力に衝撃を受ける出来事だったであろう。仏教はそれまでの 日本人が抱いていた山そのものや木そのものに対する信仰心のエネルギーを、山や木に象徴される世界や、 さらにはその背後に秘められている宇宙の真理へと人々をいざなったと思われる。 慈覚大師が経ヶ岳でして見せたことは、山へ入るということが、単なる登山ではなく 自分自身の心の山頂へと魂の登攀をすることであり、法華経に説かれる永遠の真理と 私たち人間の一体化を目指す試みだったと思われる。 御詠歌  はるばると 登り向へば仲仙寺 いつも絶えせぬ松風の音 堂内には多くの仏像が安置され、天井には大きな龍が描かれ、奉納額も大作が多く納められている   

ご本尊 十一面観世音菩薩

 
馬の守護仏として名高く、馬を引き連れて参拝する風習が戦前まで続いたそうで堂内には馬絵が沢山ある


奉納されている千匹馬の絵馬は、春爛漫の桜の下や野原で遊ぶ馬の姿が美しく描かれている
子供達が卒業記念に描いて納めた千匹馬の額は壮大です


本堂の裏に並ぶ多くの石仏


本堂入り口からから見る境内    鐘堂と山門


石段を登って山門へ 経ケ岳方面への案内も

 
参道横の広場に咲く水芭蕉      馬の像も奉納


梅・桜の同時咲き 仁王門から山門への途中


県宝仁王像を安置する新築された仁王門


参道は桜が満開


街道から別れる参道の入口と寺の石柱