第二十四番札所 法国山阿弥陀寺(ほうこくざんあみだじ)
(唐沢岩屋堂)
諏訪市上諏訪唐沢

上諏訪から霧ケ峰高原に向かう道路をしばらく登ると、脇に阿弥陀寺の入口を示す石碑が立っている。
ここからは昔の参道らしく狭くて急な道路を10分ほど登る。
弾誓上人が諸国修行の途中諏訪に立ち寄り板状節理の岸壁がそそり立つ岩場の一坪ほどの
岩窟に籠もって修行し観音像を安置したと伝えられている。

念仏聖であった弾誓上人は、自ら建立した寺をその名も阿弥陀寺としながら、 本尊を観世音菩薩としたのだろうか。上人は念仏聖の先行者である一遍上人と同様に熊野で霊験を得ている。 この熊野的な阿弥陀信仰は他の浄土教と違って弥陀一仏に徹するのではなく、古来からの神仏混淆の念仏を試みたというが、 小さな石の観音菩薩の前で念仏を続けながら、弾誓上人はどんな浄土を見つめていたのだろうか。



御詠歌  唐沢や 岩間に結ぶ観世音 誓ひの水は汲めどつきせじ

  
ご本尊 十一面観世音菩薩
堂内には小さな仏像が何体もあり、これをお借りして枕元におくと
子供が授かるといわれ、人々から”子授け観音”と親しまれている


本堂裏の崖の中腹に建つ観音堂から諏訪湖が望める


早春の観音堂


本堂や観音堂は、昭和5年に焼失したが、本堂も観音堂も建て替えられ立派になった
本堂は善光寺の知行上人が修行していたお堂を移築したということで
大屋根には菊のご紋が輝いている

 


弾誓上人の御加持水  「長命の水」として参拝者が持ち帰る

    
鐘楼や麿崖の句碑、石仏が立ち並ぶ参道は往時の繁栄振りがうかがえる。


獄門から坂道を10分程登る


弾誓上人が爪で碑銘刻んだと言われる


石垣風の獄門(たけもん)という変わった山門を通り、鬱蒼と繁る老杉の中の長い参道を登る。