千曲川沿いに下った大久保地先の諏訪山の中腹にあり、険しい参道を一歩一歩登るごとに、 日常からどんどん遠ざかっていくのが分かり、異界を感じさせる。 この寺の有名な「牛に引かれて善光寺参り」の話は、不信心な老婆がある時白布をさらしていたら突然牛が現 われて布を角にひっかけて走りだし、老婆が慌てて追いかけると不意に牛が消え、気がつくと善光寺に来ていた。 そこで老婆は牛が善光寺如来の化身であると知って不信心を改めた、帰つてきたらその布が岸壁に 掛かっていたというものだが、ここに現われる牛とはいったい何なのだろうか。